ABOUT

山や川に囲まれた環境で育ち、枝や木の端材を拾っては何かを作ることが、ごく自然な遊びでした。
完成させることよりも、作る時間そのものに没頭し、意味や目的を持たないまま、ただ内側から湧き上がる衝動に従って手を動かしていました。
その感覚はいったん途切れますが、さまざまな経験を経て、再び制作へと戻ってきました。
そして長く制作を続ける中で、自分が探していたものには、ひとつの名前があることに気づきます。
それが「白詩」です。
私にとって白詩とは、言葉になる前の感覚であり、光と影のあわいに立ち上がる気配です。
朝の光が壁に落とす影。
風が通り過ぎたあとの静けさ。
ふと立ち止まったときにだけ現れる余白。
それらは確かに存在しながら、名前を与えた瞬間にこぼれ落ちてしまうものでもあります。
私は、そうした捉えがたい気配を、小さな立体作品としてすくい上げています。
紙や木、真鍮などの身近な素材を用い、繊細な構造を重ねながら景色をつくっていきます。
その景色は特定の場所ではなく、記憶のようでもあり、夢のようでもあり、まだ語られていない断片のようでもあります。
作品に箱という形式を用いるのは、そのためです。
箱は世界を閉じるためのものではなく、見過ごされてしまう小さな気配をそっと留めておくための器です。
古い時計の箱や木箱には、時間の層の中で沈殿した静けさがあります。
その内側に生まれる影は、光を受け止めるための余白となります。
私は色彩を削ぎ落とし、白と黒を基調として制作しています。
白は空白ではなく、まだ形にならない可能性の場です。
光と影が出会い、気配が立ち上がるための余白としての白。
そこに宿る詩を見つめ続けること。
それが私にとっての「白詩」であり、制作の根底にあります。
作品を通して、日常の中に埋もれている静かな光や気配に、再び目を向けるきっかけを生み出せたなら、それ以上の喜びはありません。
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【略歴】
2013年 独学で制作を開始
関西・関東の百貨店やアートスペースで展示活動
2023年 京都にアトリエ兼ギャラリーを開設
2025年 兵庫へ拠点を移す
同年 大垣書店 麻布台ヒルズ店「私に寄り添うブックエンド展」参加/福岡にて個展「白詩」開催
2026年 兵庫県のアトリエをギャラリーとして開放準備中
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【最新情報】
Instagram:@koki_art_000