ABOUT

沈黙の縁に生まれる“気配の詩”を、白い立体としてそっと掬い上げる試み。
はじまり
私は、光と陰のあわいにふと立ちのぼる、
言葉になる前の詩の気配を、白い立体として静かに掬い上げています。
幼い頃、本のページの隙間から立ち上がる“静かな世界”に魅せられました。
その余白の呼吸こそが、のちに《白詩》と名づけることになる、私の創作の源となりました。
探求
2013年、独学で制作を始めて以来、彫金・木工・革・絵画など、
様々な素材を手にしながら、まだ形を持たない物語の気配を探し歩いてきました。
素材が変わるたびに光の質が揺らぎ、そのなかで《白詩》という種子が静かに芽吹いていきました。
発見
2018年、小さな白い造形を空間に点在させ、
それらを一本の白い糸で結ぶインスタレーションを制作しました。
白い点が散り、糸が空気を編むその時間の中で、私は気づきました。
私は“白詩”という、形が生まれる前の白い世界から
断片をそっと拾い上げているのだ、と。
《白詩》とは、意味がまだ沈黙にとどまり、
光と陰が触れ合いながら、ゆっくりと生成していく場所です。
その揺らぎに耳を澄ませ、漂う景色を一つずつ結晶化していきます。
思い
世界が深い静寂と影に包まれた時期を経て、ひとつの確信が宿りました。
わずかでもいい。ほんの一瞬でもいい。
誰かの日常にそっと灯る “小さな光” をつくりたい。
現代には数えきれない気配が流れ込み、
どれが本当の声で、どんな沈黙が護るべきものなのか、曖昧になる瞬間があります。
私はその奔流の中で声を高めるのではなく、
生まれようとする沈黙の側に身を置きたいと感じています。
響き渡る言葉ではなく、光がかすかに揺れる瞬間や、
影がそっと呼吸するわずかな間にこそ、世界がひらかれると信じています。
作品とは、何かを主張する器ではなく、
光と影が沈黙の中でむすぶ “気配の彫刻” です。
ひとつひとつの短編は独立しながらも、余白を通して響き合い、
やがて《白詩》という静かな世界を形づくります。
《白詩》とは、私と作品とのあいだに積み重なった、無言の時間の体積。
これからも私は、その沈黙に耳を澄ませながら、
そこから立ち上がる光の断片を、一つずつ紡いでいきます。
2015年(平成27年)
山口 — KO SILVER × オオタコウキ 二人展(絵画)
山口 — KO SILVER グループ展「秋章」金工・植物・絵画(絵画)
2017年(平成29年)
山口県立美術館 — 美術展 入選(絵画)
山口 — KO SILVER 個展「小さな世界、たくさんの世界」(絵画/立体)
2018年(平成30年)
山口県立美術館 — 美術展 優秀賞「liberty.」(インスタレーション)
山口 — KO SILVER × オオタコウキ 二人展(絵画)
2020年(令和2年)
山口 — 自由創作 伊藤 若手作家展(絵画/立体)
2021年(令和3年)
山口 — KO SILVER × オオタコウキ 二人展(絵画/立体)
山口 — 積水ハウス 住宅展示場 インテリアフェア(絵画/立体)
Creema 特集「スタッフが選ぶ、前期ベスト作品2021」掲載
京都 — JR京都伊勢丹「日常の情景」展
2022年(令和4年)
大阪 — 阪急うめだ本店 うめだスーク「tp-works × atelier kuuki — ひとつの光」
京都 — JR京都伊勢丹「月灯り」展
東京/埼玉 — SOZO 個展「jiyu.」
2023年(令和5年)
京都 — atelier & café mu. オープン
大阪 — ranbu「雲の郵便屋」展
京都 — 京丹波「2番目の小部屋」展
2024年(令和6年)
TRiCERA ART「100人展」選出 / 渋谷キャスト出展
2025年(令和7年)
兵庫へアトリエ移転・制作再開
東京 — 大垣書店 麻布台ヒルズ店「私に寄り添うブックエンド展」
福岡 — 個展「静かな詩(Silent Poetry)」